【医院ブログ】
症例紹介
歯周病治療とメンテナンスについて
歯周病の治療とメンテナンスについて、エビデンスに基づいた説明をします。歯周病治療は歯と歯周組織(歯茎や骨など)の健康を回復し、維持するために非常に重要です。以下、治療の流れとその効果、さらに定期的なメンテナンスの重要性についてお話しします。
歯周病治療の目的
歯周病は、歯周ポケット内の細菌が原因で、歯茎や骨が破壊される病気です。進行すると歯が揺れ始め、最悪の場合には歯が抜け落ちることもあります。そのため、歯周病治療は主に次の3つの目標を持っています:
- 炎症を取り除くこと(歯茎の腫れや出血を減らす)
- 細菌を減少させること(歯石やプラークを除去し、口腔内の健康を保つ)
- 骨や歯周組織の再生を促進すること(進行した歯周病の場合)
歯周病治療のステップ
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スケーリングとルートプレーニング(SRP)
- 歯石やプラークを取り除き、歯根の表面を滑らかにする処置です。これにより、細菌の温床が減り、歯茎の健康が回復します。Heitz-Mayfield(2005)の研究によると、SRPは歯周病の進行を抑える有効な方法であり、多くの患者に効果があることがわかっています。
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抗菌療法
- 歯周病が重度の場合、細菌の活動を抑えるために抗菌薬が使用されることがあります。例えば、ポケット内に直接抗菌薬を注入する局所療法も有効です。この治療法はSRPと組み合わせると効果が増すことが報告されています【Sgolastra et al., 2012】。
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外科的治療
- 進行した歯周病の場合、外科的な治療が必要になることもあります。例えば、フラップ手術では、歯茎を切開して歯根の深い部分まで直接アクセスし、歯石を除去しやすくします。さらに、骨の再生が期待できる骨移植やメンブレン療法(GTR)が行われることもあります。Tonettiら(2012)の研究では、このような再生療法が特定のケースで有効であることが示されています。
治療後のメンテナンスの重要性
歯周病治療の効果を持続させるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。メンテナンスは、治療後の歯茎や骨の状態をチェックし、再発を防ぐために行われます。
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プラーク・歯石の除去
- 定期的なクリーニング(PMTC)で、再度のプラークや歯石の蓄積を防ぎます。Axelsson & Lindhe(1981)の研究によると、定期的なメンテナンスを受けている患者は、受けていない患者に比べて再発率が低いことが示されています。
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歯周ポケットのチェック
- 歯周ポケットの深さを定期的に測定し、炎症の兆候や進行が見られた場合には、早期の治療を行います。特にメンテナンスを続けていない患者は、歯周病が再発しやすいため、定期的なチェックが欠かせません。
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ホームケアの指導
- 患者ごとに最適なブラッシング方法やデンタルフロスの使用方法を指導し、日々のホームケアの改善を図ります。自宅でのケアと定期的なメンテナンスが組み合わさることで、歯周病の再発リスクをさらに低減できます。
まとめ
歯周病治療は、進行を抑え歯の健康を回復させるために大切ですが、治療後も定期的なメンテナンスが必要です。これにより歯周病の再発を予防し、長期的な口腔健康を維持することが可能になります。患者ごとに適切な治療とメンテナンスの計画を立て、継続的にケアしていくことが理想的です。
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